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Author:seba0623
せばと言います。 漫画・青春ミステリ・東海林さだおさんのエッセイが好物。
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サナギさん(6)/施原ユウキ |
ほのぼのするような、そうでもないような。そんな不思議な読後感が魅力の、施川ユウキ氏の作品です。これで完結。こちらでサンプルが見れます。是非どうぞ。
さて、このエントリは作品のレビューというより、僕が施川作品に何を見てるか、ということをだらだら書いてるだけのものです。一応注意書き。
施川作品は読む人を選ぶ気はしますが、ハマる人はとことんハマれる逸品揃い。僕も『サナギさん』中期~後期ぐらいからの新しい読者ですが、既刊はすぐに揃えてしまいました。
そんな施川作品を、他の日常系漫画と一線を画するものにしているのは、その「日常」の演出ではないかと思います。 いわゆる日常風景を描いた作品というのは、現実の日常そのものを漫画内へと持ち込み、ゆるゆるとした空気感を醸し出し、そこに一風変わった登場人物や世界観をアクセントとして配置するもの(『あずまんが大王』『ふら・ふろ』『ヨコハマ買い出し紀行』等)、または漫画的日常という、現実の日常と地続きとは言い難い非日常を、突飛なキャラクター達が当り前のように過ごすもの(『日常』『ぽんてら』等)が多いと思うんですが、施川作品は至って自然に日常風景を描きつつも、キャラの言動を通してそのゆるやかな空気をぶち壊し、その後に限りなく漫画的な日常をそこに再生している……ような気がするのです。
そこで僕がいつも味わうのが、冒頭で書いた「ほのぼのするような、そうでもないような」読後感なわけです。さて、では日常を破壊してその裏にあるものを引き摺りだす、キャラの言動とはどんなものなんだろう、と考えてみるとパッと思い浮かびません。情けない脳みそですね。
それはさておき、何処かにヒントはないだろうか、と『サナギさん』と同時発売の『12月生まれの少年』の帯を見ると、『サナギさん』の紹介文に「ほのぼのと毒の奇跡のバランス」との文字が躍っています。作中に、その両者が絶妙な配分で描き出されていることは事実。フユちゃん、というキャラの吐く毒にクスリとさせられることも確かにあります。 では、その"毒"が僕にこの奇妙な感覚を味わわせているのか。施川作品のキャラの放つ毒は、事象をなかなかに鋭く射抜いていることが多く、その発言者の機知に富んだやり取りを更に魅力的なものにしてはいます。が、それは作品におかしさを与えるもので、それ以上のものではない。そう考えると、これはちょっと違う。
では、一方の"ほのぼの"はどうだろう。これは深く考えるまでもなく、正解ではないな、という気がします。ほのぼのは、自然な日常風景の描写の中で、何ということのない会話を交わすキャラ達に味わうことが出来るわけですが、ほのぼのそのものが「そうでもないような」という、ほのぼのをぼかす気持ちを生み出す、というのはちょっと難しい。
ここで行き詰まり、僕はない頭をフル回転させてみました。ほのぼのでも毒でもないし、そのバランスが云々という話でもないように思う。内容から離れて、キャラ造形であるとか、その画面に答えはないだろうか等と絵だけを目でなぞりつつページを繰っても、やはり答えは見つかりません。
で、ああもうダメだ寝よう、と諦めかけた時にふと思い至ったものがありました。ほのぼのでも毒でもなく、画面でもないそれは、キャラの思考プロセス、すなわち台詞そのものと、次の台詞を口に出すまでに生じる「間」をひっくるめた、言うなれば登場人物の言動そのものなんじゃないだろうか。 日常を破壊し僕を「そうでもないような」気分にさせる言動というのが、キャラの言動そのものと言うのではトートロジーのようですが、一つ一つの台詞や動きに捉われるのではなく、そういったもの全て、それこそほのぼのも毒も内包し思索する彼らこそが僕に、得体の知れない奇妙な満足感を与えてくれていたんではないか、という結論に達したわけです。
そう考えると、施川作品は思惟するキャラのオンパレード。作者本人のコラム等を見ても分かるように、キャラにも受け継がれるその思考は中二的な側面が強いとは思いますが、どうでもいい考え(ここが割と重要)をいつまでも頭の中で巡らせていられる僕のような人種には、まさにうってつけの漫画だったわけですね。
我ながら途中からわけ分からんことになってるんで、読み辛いんだろうなあとは思いますが、まあたまにはこういう文章もいいじゃない(←×)
で、施川ユウキ氏ご本人のサイトはこちら→"施川ユウキのみすぼらしい部屋(仮)" ↑にある以外にもサンプルなんかが載ってます。
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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック |
4コマ(その他)
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[ 2008/10/10(金) 00:00 ] |
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